
母が入院しているので、先日、そのお見舞いに実家に帰ってきました。
お見舞いの病院先では、母に
「こんなときに帰ってきたら、一緒に遊びに行けんがの。」
と、文句を言われてしまったのですが
そんな文句が出てくるのも元気な証拠ですね。
けっきょく滞在三日目に
母は病院から外出許可をもらい遊びに行ってきました。
といっても、近場にご飯を食べに行っただけなんですけども。
それでも母は満足してくれていたようなので良かったです。
そんな母は、一匹の黒猫を飼っています。
今日は、そのエピソードを少し…。

数年前に母にとっての姉、私にとっての伯母が亡くなりました。
母は10人兄弟の10番目の子なので
ほとんどの兄弟たちとは年が離れていて
その姉とも、かなり年が離れています。
それでも、その兄弟たちのなかでも
その伯母とは、とくに仲の良い姉妹だったと思います。
その伯母が亡くなる前に、母にこう言い残していったそうです。
「死んだら黒猫になって、ブドウが実る頃におまえに会いに行くでな」
けっきょく伯母が亡くなる少し前に
心臓が悪い母も倒れてしまい、入院せざる得ないことになり
そのときは少しも動くことを許されないような状態だったので
仲の良かった伯母の死に目に会うことも
お葬式に出ることもできず
退院してからも、ずっと寂しい思いをして過ごしていたそうです。
それから一年半ほどの月日が流れ
そろそろブドウも実りを迎える時期にさしかかった頃
母がいつものように自宅の庭いじりをしているとき
推定1歳ほどの黒のメス猫が
母の元に遊びに来るようになったそうです。

姉の言葉を忘れずにいた母は
伯母がやっと来てくれたと思ったのでしょう。
病院通いをしなければ生きていけないのではと思えるくらいに
咳やくしゃみがひどく、病気がちなその猫を
自分の家族として迎え入れました。
その猫は、おそらくは飼い猫だった形跡が残されていたのですが
病気がひどいために捨てられたのではないかと
母たちは話していました。
その子は、真っ黒な毛並みをしているので
「クマ」と名付けられ、いつも「マー」と呼ばれています。
マーはとても人なつっこく、私と初めて会ったときも
初対面にもかかわらず平気で人に寄りかかって
眠ってしまうような子です。
残念ながら彼女は写真に慣れていないようで
カメラを向けたとたんに逃げてしまったので
マーの写真はないのですが
顔立ちから推測するにペルシャ猫と日本猫のハーフという感じの
短毛だけど、目がまん丸で顔が縦につぶれたようなくしゃっとした感じが
愛嬌を感じさせる子です。
実は、私も最初にマーと会ったとき
「あ、おばちゃんと同じ目をしている子だ」
と思ってしまいました。
形はぜんぜん違うのですけど
目の輝きがそう感じさせたのかもしれません。

マーが本当に伯母の生まれ変わりかどうかは誰にもわかりませんが
そう信じることで母がなぐさめられているのだから
それはその真実を追究する必要は
まるでないんだろうなと思っています。
それに、マーが仮にほんとに伯母の生まれ変わりだと証明されたりしたら
天国に行っていると信じている伯母の家族が
今度は悲しい思いをすることになるのだし
ときには真実がわからないままの真実もあっていいんだろうなって思います。
追記:
写真はすべて実家の庭を撮ったものです。

