猫は毛皮を着替えて帰ってくる 第4話

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ダイちゃんは、どんなにくうちゃんが攻撃的な態度を示してきても、
まったくその怒りに対して反応しないどころか、
ただひたすら、くうちゃんをなだめようとしているのです。

でも、そんなことに加えて、もう一つ、とても不思議に感じることがあったのです。

それは、ダイちゃんが、ただひたすら怒っているくうちゃんと向かい合っているとき、
時々、まるで、「このままで大丈夫?」と聞いているかのように
私の目を見ることが何度もあったのです。

私も、そのときは、誰も怪我をして欲しくなかったので、
もしもの時は、いつでもネコとネコの間に入って
止めに入ることが出来るようにと体制を整えていました。
今となっては、なんだか余裕があるような書き方になっていますが、
そのときは、私の気持ちも、もう必死です。

そんな必死の時だったので、ダイちゃんのそんな目線に対して、
何も疑うことなく、心の中でですが、「いまはそのままで大丈夫」
「あ、くうちゃんが、けっこう本気になってきたから、いまは逃げて」
と、ダイちゃんに対して、何度も強く呼びかけていました。

すると、ダイちゃんは、ちゃんと私の心の指示通りの動きをするのです。
大丈夫と心で呼びかければ、そのままハナチューをするし、
逃げてと心で呼びかければ、サッと物陰に隠れるといったことを
一度も間違えることなく、やってのけていました。

ネコは不思議な生き物だと感じることはよくあります。
その中のひとつに、ネコは人の心を読むということは、巷でも言われていることです。
でもそれは、いつも一緒にいるネコであればこそのことだと思っていました。

先代のせーりー君やミラムちゃんとも、ネコテレパシーの経験はあったし、
くうちゃんだって、時々、ネコテレパシーでつながっていると感じる時があります。
とても印象的だったのは、ミラムちゃんとのネコテレパシーでした。
こんなことがあったのです。

ミラムちゃんは人間のチーズを始めとした乳製品が大好きでした。
私が人間のチーズを食べているときに、ミラムちゃんがおねだりをしてきたので、
ちょっとくらいならいいだろうと、少しだけちぎってあげてしまったことがきっかけで、
それからというもの、私がチーズを食べ始めると、
必ずどこからか飛んできて、おねだりをするようになってしまいました。
でも、ネコは塩分をあまり取ってはいけないので、
本当なら、チーズをあげるなら、塩分のない猫用のチーズをあげなければなりません。
でも、ミラムちゃんは、塩分のない猫用チーズは美味しくないようで、
必ず人間用のものを食べたがります。
そのため、私はチーズが食べたいときは、
ミラムちゃんに気づかれないように食べようと試みるしかありませんでした。
でも、私がチーズを食べようと、ソッと冷蔵庫の前に立っただけで、
まだ冷蔵庫さえも開けてもいないのに、すぐにミラムちゃんはすっ飛んできて
「チーズ食べようとしているんでしょ。ミラムにもちょうだい」
と言わんばかりに、足下ですりすりを始めてしまいます。
その後も、何度も何度も、もうそれは、チーズ食べようと心で思った瞬間に
何もする前からミラムちゃんがやって来てしまうので、
私はチーズを食べることを断念するしかありませんでした。
それはもう、偶然とは言い切れないくらいに、そんなことが何度もあったのです。

でも、そういったことは、ずっと一緒に暮らしていて
心が通じ合っているネコに限ったことであって、
つい数日前に会ったばかりのネコと、そんな風にネコテレパシーができるなんて、
本当に不思議なことだと首をかしげるばかりでした。


次回に続きます。


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在りし日のミラムちゃんとくうちゃんのひなたぼっこの風景です。



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